氷翠とモニカは、イタズラをされた人の反応を楽しんでいた。といっても、楽しんでいるのはモニカだけで、氷翠はそれを見ながら苦笑し、お菓子をくれた人にかけられた魔法を解いていった。

「ソルプレーサ!!」

モニカは、笑顔で魔法をかけた。そんなモニカを、たまたま見かけたルカは、「モニカ!イタズラも大概にしろっ!」と苦笑する。

モニカは、ルカの姿を見るなり申し訳なさそうに魔法を解いた。

「魔法祭だからって、暴れすぎないでね?氷翠のことも考えなよ」

少しきつい声でルカは言う。モニカは「ごめん」とルカと氷翠に謝った。

「気にしないで」

氷翠は、そう言って2人に微笑む。ルカは「じゃあね。もうすぐで10時になるから忘れないでよ?」と言い残して去っていった。

「……じゃあ、次で最後にしようか」

氷翠は、杖先を男性に向け、呪文を唱える。

「ソルプレーサ」

男性の姿は、怪物になった。それに怖気付かずに氷翠は「Trick or Treat。お菓子をくれたら魔法を解きます」と男性に言う。

男性は「レガーロ!」と氷翠とモニカにお菓子を渡した。氷翠は「ありがとうございます」と微笑んで魔法を解除し、モニカと一緒に魔法学園の正門に向かった。