「……っ!?」


突然のことで、すぐにはキスをされたことに頭が追いつかなかったけれど。

さらに顔が熱くなっていく。


こんなの初めて。
何、この気持ちは。

胸がぎゅーっと締め付けられるような感覚に陥った。


「油断は禁物な?」

キスをしてきた本人は、余裕たっぷりの笑みで私を見つめてきて。


咄嗟に顔を背け、煌哉を見ないように努力する。
ただその間も顔の火照りは収まらない。



「こうや…恥ずかしくて、その……もう帰ってください!」


とりあえずひとりになりたい。

煌哉を一切見ないようにして、先にベッドから降りた私は彼の腕を引いた。


「千紗」
「早く鞄持って…!」

「本気で千紗を自分のものにするから。
覚悟しとけよ」

「……っ、う、るさい!
とにかく帰って!」


顔が熱い。
そんな顔を隠すように、煌哉の背中を後ろから押す。

結局煌哉の顔を一度も見ないまま、外へと追いやった。