「恋はかんたんに諦めちゃダメだからね!」
「そんな千紗はどうなんだ?」

「恋すらしたことないです!
俳優とかイケメン大好きだけど!」

「ふはっ、笑わせんなよ」


まともに答えたつもりなのに、煌哉に笑われてしまう。

けれど煌哉の心からの笑みはギャップがあり、幼くなって私は好きである。


普通にかわいくて心臓に悪い。



「千紗って結構惚れ症っぽいのに」
「偏見はダメだよ!」

まだ少しおかしそうにして話す煌哉にムッとする。


せっかくかわいい笑みにキュンとしたというのに、その気持ちを返してほしい。

イケメンは何をしても得だなと思いながら、私は電車に揺られていた。