「でも真問はそのピアスを…」
「水瀬くんの中できっと、美織さんの存在が大きいんですね」
「……それは、どうでしょうか」
どうでもいい女子からもらったピアスをあそこまで大事にするはずがない。
そう思った私だったけれど、美織さんは曖昧な返事をした。
「えっ…」
「幼なじみだった真問に私は酷い言葉をぶつけたので」
また悲しそうな表情へと変わる美織さん。
なんとなくふたりの間に何かがあったのだろうということは伝わった。
「“真問とはもう幼なじみやめる”、“二度と私と関わらないで”って突き放しました。
それなのに今更会いにくるとか本当、最低ですよね私…」
「そ、そんなことないと思います!水瀬くんもずっと美織さんのことが忘れられなくて、今すごく苦しんでます。
きっとそんな水瀬くんを助けられるのは美織さんだけで……」
そこまで言いかけたところで、ハッと我に返る。



