「そう、ですか…」
少し複雑な表情をしていたのは、きっと私が説明不足だったからだろう。
その時ふと、水瀬くんのシルバーピアスを思い出した私。
もしかして水瀬くんがあのシルバーピアスを大事にしているのは───
「あの、美織さん」
「……はい」
「水瀬くんにシルバーのピアス、プレゼントしたことありますか?」
ストレートに質問すれば、彼女は目を大きく見開いて驚いた。
どうやら当たっていたようだ。
あのシルバーピアスをプレゼントしたのは、きっと美織さんで間違いない。
「どうして、それを…」
「つけているんです。今もまだ、水瀬くんは。
大事にしています」
それが何よりの証拠だ。
水瀬くんの心の中に、美織さんがいるってこと。



