クールなオオカミの過剰な溺愛




だって水瀬くんは片耳しかシルバーのピアスをしていない。

やっぱりこのピアスの持ち主は水瀬くんので間違いなさそうである。



「夏原さん…!」
「…っ、なに?」

そんな彼が突然顔を上げて私の名前を呼んだから驚いた。


「机の周りに俺のピアス見なかった?
これのもう片方」

「……し、知らない…けど」


彼の勢いに圧倒された私は、完璧にピアスを返すタイミングを逃してしまった。



「そっか、ありがとう。
……あっ、ねぇ原野さん───」

水瀬くんは私の答えを聞くなり一瞬残念そうな顔をしたけれど、今度は彼の隣の席である女子に話しかけていた。


それほど大事なものなのだろう、彼の身につけているシルバーのピアスは。

なんとなく想像がつく。