「本当に勉強が苦手なんだな。
ちゃんと理解したらできるのに」


必死にすがる私を見て嬉しそうに笑う煌哉は意地の悪い人間である。


「理解するまでが長いんだよね」
「確かに長いな。一度理解したらずっと解けるのに」


そう、私は少し特殊な脳をしているようで。

いや、正確には私が勝手に特殊だと思い込んでいるからだけれど。



一度だけではなかなか理解することができない私は、なぜか一度理解できると二度と同じ問題で引っかかることがないのだ。

それはある意味自慢である。


そのおかげで受験では上位で入学ができたらしい。
とはいえ煌哉には敵わないけれど。



「なので期末テストもお世話になります」

深々と頭を下げると、ふっと小さく笑われてしまう。