クールなオオカミの過剰な溺愛




「ん、お疲れ様」

付き合ってくれた側である煌哉は、私の反応を見て微笑んだかと思うと頭を何度かぽんぽんされた。


「へへっ、やっと解放された!
本当に煌哉ありがとう」

「投げ出さずに頑張ったのは千紗自身だから、俺は特に何もしてねぇよ」


ほら、こういうところでも優しさを見せる彼。
褒めて私を伸ばそうとする気だ。


「本当に長かった…」

長い1日が終わり、ようやく学校の外に出られるのだ。


こんなにも疲れがたまる1日を過ごしたのはいつぶりだろう。


小さくため息を吐いた後、シャーペンと消しゴムを筆箱の中に直し、そこからさらに帰る準備を始める。


「ねぇ煌哉?」
「…どうした」

帰る準備をしているため、煌哉に背中を向けながら口を開いた私。