「……はぁ」
「ため息ばっかだな」
「だって…」
シャーペンを持つ手に力が入らなくなる。
「結果が悪かったのは俺のせいか?」
「…え」
ゆっくりと顔を上げれば、真剣な表情の煌哉が視界に映る。
「昨日俺があんなことしたから」
「それもある…けど」
「じゃあ水瀬と何あった?」
「……っ」
すべてお見通しの煌哉は、少しずつ核心を突こうとしていた様子。
案の定、過剰に反応してしまう私。
「明らかにさっき、水瀬を嫌ってただろ」
「……うん、嫌い」
あんな自己中心的な人なんて大嫌い。
人の気持ちも考えられないのか。
「千紗がそこまで嫌うとか珍しいな」
「今日で大嫌いになったの」
「……理由は?」
「それ、は…」
言いにくい。
煌哉に好きと言われた手前、水瀬くんからキスをされただなんて。



