「おい、諦めようとするな」
「だって目がチカチカして…」
「それは単なる拒否反応だろ」
いくら優しいとはいえ、私が諦めようとすると厳しくなる煌哉。
まあそれが煌哉の優しさでもあるのだけれど。
「頑張る…けど」
もう一度プリントに視線をやる。
当たり前のように英文が並んでおり、まるで呪文のようだ。
やっぱりプリントを閉じようとしたけれど、また煌哉に制されてしまう。
「バカ千紗、プリントを閉じようとするな」
「だって意味わからないから」
「理解する前に拒否してんだろ。
まずはちゃんと読め」
まさにその通りであるため、何も言い返せない。
けれど英文に視線を向ければ、どうしても拒否反応を示してしまうのだ。



