クールなオオカミの過剰な溺愛




「千紗にしては珍し…って、ほとんどバツじゃん」
「み、見ないで…!」


手に持っていた答案用紙を煌哉に取られ、さらには見られてしまう。

クラスで一番悪かったという結果だ、さすがの私でも見られるのは恥ずかしい。


「見せられないような点数とった千紗が悪い」
「そ、うだけど…」

やっぱり煌哉には敵わない。
圧倒的に不利である私は大人しくすることにした。



「ほら、落ち込むなよ。
早く終わらせればいい話だから」

「……うん」
「とりあえずシャーペン持て」

煌哉にはお願いして残ってもらっているというのに、何から何までお世話になっている私。


これは早く終わらせるぞと心に決めてプリントの一枚目を見たけれど、早速謎の例文と説明が書かれていて。

そっとプリントを閉じようとする私の手首を煌哉が掴んだ。