クールなオオカミの過剰な溺愛




軽く拒否反応を示しながらも席へと戻ると、油断していた私は前の席である水瀬くんとつい目が合ってしまった。


「ダメだったんだね。
煌哉に教えてもらうの?」

「……っ」


私のよく知るさわやかな笑顔を浮かべ、いつも通りに接してくる水瀬くん。

無理矢理キスしておいて、どうしてそんな笑顔を浮かべることができるのだ。


本当に最低な人である。


「俺の厚意を素直に受け取ってくれなかったんだ?」
「…じゃあまた明日、水瀬くん」


このまま話していても意味がないと思った私は、作り笑いを浮かべて彼を突き放す。


「うん、また明日ね。
夏原さん」


けれど彼は決して怯まず。
むしろ楽しそうに笑い、そう返してきた。