「じゃあ勉強もひとりでできるんだな?」
「あっ、待ってそれはずるい…!」
「ずるくねぇよ。
赤点だらけでこの夏休み、補習で潰れろ」
つ、潰れろってひどい。
私の夏は煌哉にかかっているというのに。
「補習で夏休み潰れたら私死んじゃうよ」
理解力のない私は、ほとんどの教科で賢い煌哉に教えてもらわないとやっていけない。
この高校に入れたのも、受験シーズンに煌哉が教えてくれたおかげである。
塾は私に合わないようで、煌哉が私の家庭教師のようなものだ。
あの雨の日に煌哉と出会い、話していなかったら今頃高校受験に失敗していたかもしれない。
それとも偏差値を落としていたことだろう。



