「いえ。既にカピトーリでの儀式を終えられ、ユージュナに戻られるのです。」
「そうなんだ。じゃあ、ドラコはお役御免?」
「……私は存じませんが、シーシアさまをユージュナまで無事に送り届けるまでがドラコの任務じゃないでしょうか。」
「へえ~。過保護~。まあ、1万の軍よりシーシア優先なんだもんねえ~。」
多少揶揄してそう言ったら、ティガは無表情に言った。
「シーシアさまは、明日、非公式にこちらにお立ち寄りになるそうです。」
「イザヤがいないのに?何しに?リタに逢いに?ティガに逢いに?」
そう言ってから、ふと心配になった。
「まさか、私の顔を見に来るの?」
ティガはうんともすんとも言わなかった。
……マジか。
せめて、イザヤが居るときに逢いたかったなあ。
シーシアにとって、私、完全に敵だもんね。
釘刺されるのかな。
……やだな。
イザヤ。
怖いよ。
早く帰ってきてほしいよ。
「マイラ。カシコイ。イザヤ。カワイイ。」
鳥の伊邪耶が、ヘロヘロヘロ~っと飛んできた。
「いざやー。」
伊邪耶は私の頬にピトッと体を寄せて、丸まった。
……うん。
一緒に、寝よっか。
伊邪耶。
ありがとう。
そばにいてくれて。
大好き。
***
翌朝、1人で剣術のお稽古をしていると、リタが姿を見せた。
「おはよう。まいら。……ホントに上達してるね。」
褒められた?
「おはよう。リタ。ありがとう。頑張ってる甲斐あるわ。……リタは、もう、しないの?剣術。」
「うん。しない。ティガに怒られたし。……それにもうすぐ剣を持てなくなるみたいよ?」
「あー。そうらしいね。まあ、護身術と思っとくわ。ね、今日、シーシアが来るってことは……ドラコ……」
たぶんドラコが護衛して来るんじゃない?
リタはまた逃げるつもりだろうか。
じっと見つめると、リタは片頬だけ上げた。
「うん。大丈夫。……シーシアさまにお逢いできることだけ考える。」
ドラコとは、また話さないつもりなのかな。
私には、リタがそこまでドラコを避ける気持ちがよくわからなかった。
……私なら……好きなヒトが他の女性を好きでも、私のことも見て欲しいし、仲良くなりたいし、あわよくばって期待するけどなあ。
脳裏に浮かんだ「好きなヒト」は、ずっと孝義くんだったはずなのに……なぜか、イザヤのことも思い出した。
***
お昼を食べた後、何だか身体がゾクゾクし始めた。
風邪でもひいたのかな。
剥き出しの二の腕をさすってると、宗教の講義をしてくれていたティガが気づいてくれた。
「そうなんだ。じゃあ、ドラコはお役御免?」
「……私は存じませんが、シーシアさまをユージュナまで無事に送り届けるまでがドラコの任務じゃないでしょうか。」
「へえ~。過保護~。まあ、1万の軍よりシーシア優先なんだもんねえ~。」
多少揶揄してそう言ったら、ティガは無表情に言った。
「シーシアさまは、明日、非公式にこちらにお立ち寄りになるそうです。」
「イザヤがいないのに?何しに?リタに逢いに?ティガに逢いに?」
そう言ってから、ふと心配になった。
「まさか、私の顔を見に来るの?」
ティガはうんともすんとも言わなかった。
……マジか。
せめて、イザヤが居るときに逢いたかったなあ。
シーシアにとって、私、完全に敵だもんね。
釘刺されるのかな。
……やだな。
イザヤ。
怖いよ。
早く帰ってきてほしいよ。
「マイラ。カシコイ。イザヤ。カワイイ。」
鳥の伊邪耶が、ヘロヘロヘロ~っと飛んできた。
「いざやー。」
伊邪耶は私の頬にピトッと体を寄せて、丸まった。
……うん。
一緒に、寝よっか。
伊邪耶。
ありがとう。
そばにいてくれて。
大好き。
***
翌朝、1人で剣術のお稽古をしていると、リタが姿を見せた。
「おはよう。まいら。……ホントに上達してるね。」
褒められた?
「おはよう。リタ。ありがとう。頑張ってる甲斐あるわ。……リタは、もう、しないの?剣術。」
「うん。しない。ティガに怒られたし。……それにもうすぐ剣を持てなくなるみたいよ?」
「あー。そうらしいね。まあ、護身術と思っとくわ。ね、今日、シーシアが来るってことは……ドラコ……」
たぶんドラコが護衛して来るんじゃない?
リタはまた逃げるつもりだろうか。
じっと見つめると、リタは片頬だけ上げた。
「うん。大丈夫。……シーシアさまにお逢いできることだけ考える。」
ドラコとは、また話さないつもりなのかな。
私には、リタがそこまでドラコを避ける気持ちがよくわからなかった。
……私なら……好きなヒトが他の女性を好きでも、私のことも見て欲しいし、仲良くなりたいし、あわよくばって期待するけどなあ。
脳裏に浮かんだ「好きなヒト」は、ずっと孝義くんだったはずなのに……なぜか、イザヤのことも思い出した。
***
お昼を食べた後、何だか身体がゾクゾクし始めた。
風邪でもひいたのかな。
剥き出しの二の腕をさすってると、宗教の講義をしてくれていたティガが気づいてくれた。



