分厚い!
わくわくして開封すると、中から出て来たのは……手書きの楽譜!?
何で?
「まいら?」
途方に暮れてる私にティガは首を傾げた。
「宿題の追加みたい。」
どっと脱力した。
よくよく見ると、譜面にはマルティネスと走り書きしてあった。
「楽譜だけですか。」
さすがにティガも呆れたらしい。
「うん。楽譜だけ。何の曲だろう。マルティネスねえ。」
知らないわ。
よくわからないので、とりあえず弾いてみることにした。
クラヴィシンの鍵盤をなぞって、音を拾う。
……なんてゆーか……サロンの音楽?
可もなく不可もない、美しく軽快な曲。
うーん。
しばらく反復練習を繰り返したけど、だんだん泣けてきた。
イザヤの馬鹿。
楽譜を書き写す暇があるなら、一言でも言葉が欲しかった。
イザヤならともかく、私じゃあ楽譜だけではその曲の持つ意味を解することも表現することもできないのに。
ぐずぐず泣きながら、それでもお稽古を続けた。
何度も何度も……。
「まいら。もうやめなよ。」
いつの間に来てたのか、リタにそう止められた。
「あ~。リタ……。今何時?」
思わずそう聞いてから、慌てて言い直した。
「そろそろご飯?」
……この世界では時間の感覚がかなり曖昧だ。
一応、大きいほうの太陽の日の出から次の日の出までを1日ということにしているらしいけれど、小さいほうの太陽同様に、大きい太陽の周期も一定ではない。
四季らしい季節の移り変わりはあるので、1年という概念はあるらしいけれど、365日ではないような気がする。
最近になってようやく私は、2つの太陽と星、風向きの観測と記録を始めた。
ティガを疑っていたわけではないけれど、本当に日の出と日の入の方向も時間も一定ではないことがわかってきたところだ。
「ご飯って。もう昼も夜もとっくに終わったよ。まいらもそろそろ寝なよ。」
リタはそう言って、サンドイッチやサラダ、フルーツののったトレーを押し付けた。
「もうそんなに時間が過ぎたの。……ありがとう。いただくね。」
私はリタにお礼を言って、トレーを受け取ろうとした。
けど、腕に力が入らなくて、ちゃんとトレーを持てず落としてしまった。
「ああああ!ごめんっ!」
わくわくして開封すると、中から出て来たのは……手書きの楽譜!?
何で?
「まいら?」
途方に暮れてる私にティガは首を傾げた。
「宿題の追加みたい。」
どっと脱力した。
よくよく見ると、譜面にはマルティネスと走り書きしてあった。
「楽譜だけですか。」
さすがにティガも呆れたらしい。
「うん。楽譜だけ。何の曲だろう。マルティネスねえ。」
知らないわ。
よくわからないので、とりあえず弾いてみることにした。
クラヴィシンの鍵盤をなぞって、音を拾う。
……なんてゆーか……サロンの音楽?
可もなく不可もない、美しく軽快な曲。
うーん。
しばらく反復練習を繰り返したけど、だんだん泣けてきた。
イザヤの馬鹿。
楽譜を書き写す暇があるなら、一言でも言葉が欲しかった。
イザヤならともかく、私じゃあ楽譜だけではその曲の持つ意味を解することも表現することもできないのに。
ぐずぐず泣きながら、それでもお稽古を続けた。
何度も何度も……。
「まいら。もうやめなよ。」
いつの間に来てたのか、リタにそう止められた。
「あ~。リタ……。今何時?」
思わずそう聞いてから、慌てて言い直した。
「そろそろご飯?」
……この世界では時間の感覚がかなり曖昧だ。
一応、大きいほうの太陽の日の出から次の日の出までを1日ということにしているらしいけれど、小さいほうの太陽同様に、大きい太陽の周期も一定ではない。
四季らしい季節の移り変わりはあるので、1年という概念はあるらしいけれど、365日ではないような気がする。
最近になってようやく私は、2つの太陽と星、風向きの観測と記録を始めた。
ティガを疑っていたわけではないけれど、本当に日の出と日の入の方向も時間も一定ではないことがわかってきたところだ。
「ご飯って。もう昼も夜もとっくに終わったよ。まいらもそろそろ寝なよ。」
リタはそう言って、サンドイッチやサラダ、フルーツののったトレーを押し付けた。
「もうそんなに時間が過ぎたの。……ありがとう。いただくね。」
私はリタにお礼を言って、トレーを受け取ろうとした。
けど、腕に力が入らなくて、ちゃんとトレーを持てず落としてしまった。
「ああああ!ごめんっ!」



