「でも、それじゃ、みんな幸せじゃないよ。リタも。ドラコも。シーシアも。イザヤも。」
そう言ってみたけど、リタは両手を胸の前で組んでお祈りを始めた。
カピトーリの神をいつまでも冒涜する私の許しを神に請うために。
……ごめん、やっぱ、無理。
理解できないわ。
***
リタとの噛み合わない会話の後、私はストレスを発散させるべく、自室で剣術の自主稽古に汗を流した。
しばらくして、ティガが来た。
「リタにサンドイッチを持ってきてくださったそうですね。ありがとうございます。」
ティガはそう言ってニコニコしていたけれど、私は作り笑いをする気にもなれなかった。
「宗教が違うって、けっこう大変ね。友達でも壁を感じるのに……シーシアとイザヤって、大丈夫なの?」
「シーシアさまは、すばらしいかたです。イザヤどのも感化されて穏やかな幸せの日々を送られることになりましょう。」
ティガが本気でそう言ってるようには感じられなかった。
嘘臭いわー。
「結局さー、ドラコはシーシアが好きで、リタはドラコが好きなのよね?イザヤは、ドラコがリタを強引に犯した、みたいなこと言ってたけど、何でそんな曲解してんだろ?」
私の問いに、ティガは思いっきり嫌な顔をした。
「……私はこの件は部外者ですので、本当は何も言いたくありません。しかし、敢えて言わせていただきますと……イザヤどのは嘘をつくかたではありませんが、事態をおもしろおかしく取り違えてらっしゃいます。ドラコの態度と言葉がイザヤどのに誤解を与えてしまったのです。」
「うんうん。で?」
私の相槌は、ティガの気をそいだらしい。
ティガはため息をついて、簡潔に言った。
「リタにシーシアさまの幼少期の面影を見たドラコが、リタが大人になったら結婚するか?と酒の席で戯れに、尋ねたのです。」
「……で?」
「それだけです。」
それだけ?
「それって、ただの冗談じゃないの?お酒飲んでたんでしょ?」
呆れてそう言った。
でもティガは肩をすくめた。
「食事と共に飲んだぶどう酒程度で酔うドラコじゃありませんよ。」
「酔ってないなら、本気で言ったの?……まあでも、リタは美少女やから、それもありでしょ。リタもドラコのことが好きなら、渡りに船じゃない?何が問題なの?」
私には全然理解できなかった。
そう言ってみたけど、リタは両手を胸の前で組んでお祈りを始めた。
カピトーリの神をいつまでも冒涜する私の許しを神に請うために。
……ごめん、やっぱ、無理。
理解できないわ。
***
リタとの噛み合わない会話の後、私はストレスを発散させるべく、自室で剣術の自主稽古に汗を流した。
しばらくして、ティガが来た。
「リタにサンドイッチを持ってきてくださったそうですね。ありがとうございます。」
ティガはそう言ってニコニコしていたけれど、私は作り笑いをする気にもなれなかった。
「宗教が違うって、けっこう大変ね。友達でも壁を感じるのに……シーシアとイザヤって、大丈夫なの?」
「シーシアさまは、すばらしいかたです。イザヤどのも感化されて穏やかな幸せの日々を送られることになりましょう。」
ティガが本気でそう言ってるようには感じられなかった。
嘘臭いわー。
「結局さー、ドラコはシーシアが好きで、リタはドラコが好きなのよね?イザヤは、ドラコがリタを強引に犯した、みたいなこと言ってたけど、何でそんな曲解してんだろ?」
私の問いに、ティガは思いっきり嫌な顔をした。
「……私はこの件は部外者ですので、本当は何も言いたくありません。しかし、敢えて言わせていただきますと……イザヤどのは嘘をつくかたではありませんが、事態をおもしろおかしく取り違えてらっしゃいます。ドラコの態度と言葉がイザヤどのに誤解を与えてしまったのです。」
「うんうん。で?」
私の相槌は、ティガの気をそいだらしい。
ティガはため息をついて、簡潔に言った。
「リタにシーシアさまの幼少期の面影を見たドラコが、リタが大人になったら結婚するか?と酒の席で戯れに、尋ねたのです。」
「……で?」
「それだけです。」
それだけ?
「それって、ただの冗談じゃないの?お酒飲んでたんでしょ?」
呆れてそう言った。
でもティガは肩をすくめた。
「食事と共に飲んだぶどう酒程度で酔うドラコじゃありませんよ。」
「酔ってないなら、本気で言ったの?……まあでも、リタは美少女やから、それもありでしょ。リタもドラコのことが好きなら、渡りに船じゃない?何が問題なの?」
私には全然理解できなかった。



