リタは、へなへなと沈むように床に座った。
私もしゃがみ込んで、リタの黄緑色の瞳を覗き込んだ。
ひまわりのような明るい瞳はすっかり色褪せて諦めの色を帯びていた。
「……もう、それ以上、言わないで。お願い。……不敬罪になってしまう。」
リタの言葉は、私の推理を肯定していたけれど……言葉の意味がよくわからなかった。
「横恋慕じゃなくて、不敬罪なの?何?それ。」
「だって、シーシアさまは神の花嫁だもん。邪な想いをシーシアさまにお向けしてはいけないもん。」
……そういうものなの?
宗教的な常識は、その宗派じゃなければよくわからないものだろうけど、それにしても理解できない。
「でも、イザヤの婚約者なんでしょ?……なんか……矛盾してない?」
そう尋ねると、リタはぷるぷると首を横にふった。
「してないしてない。シーシアさまとイザヤどのは、昔からの婚約者だもん。神様がお定めになったんだよ。だから、シーシアさまのことを誰もお慕いしてはいけないの。神様の祝福をお受けしたお2人は、お互いを慈しみ、お互いだけを愛し合うものなの。なのにイザヤどのは女性関係に奔放だし、まいらを側に置くし……」
あー。
何か、わかってきた。
わかるけど、カピトーリ側の宗教って、押し付けがましいな。
「なるほどなあ。やっと、ちょっとわかってきた。でもさ、イザヤは、リタ達と同じ神を信仰してへんやん?そこが大きく違うんじゃない?イザヤにはイザヤの信仰と信条の自由があるんだし。」
そう言ったら、リタの顔が強張った。
私は慌ててフォローした。
「何で2人は婚約を解消しないんやろね?価値観違い過ぎてうまくいくわけないやん?お互いに不幸かも。シーシアだって、イザヤより、同じ神をいつまでも崇めるヒトのほうが幸せになれはるやろうに。」
でもフォローになってなかったみたい。
リタは呆れたように私を見た。
「まいらってイザヤどのに似てる。自由恋愛って言うの?動物みたい。イザヤどのは、完璧なシーシアさまに、神様がお与えになった最後の試練なの。シーシアさまは立派にイザヤどのを改心させて、正しい道へといざなわれるの。」
……そう言って、リタはポタポタと涙をこぼした。
何だ、それ。
全く意味がわかんないわ。
てか、他人の宗教に勝手に巻き込まれてるイザヤが、何だか哀れじゃない?
私もしゃがみ込んで、リタの黄緑色の瞳を覗き込んだ。
ひまわりのような明るい瞳はすっかり色褪せて諦めの色を帯びていた。
「……もう、それ以上、言わないで。お願い。……不敬罪になってしまう。」
リタの言葉は、私の推理を肯定していたけれど……言葉の意味がよくわからなかった。
「横恋慕じゃなくて、不敬罪なの?何?それ。」
「だって、シーシアさまは神の花嫁だもん。邪な想いをシーシアさまにお向けしてはいけないもん。」
……そういうものなの?
宗教的な常識は、その宗派じゃなければよくわからないものだろうけど、それにしても理解できない。
「でも、イザヤの婚約者なんでしょ?……なんか……矛盾してない?」
そう尋ねると、リタはぷるぷると首を横にふった。
「してないしてない。シーシアさまとイザヤどのは、昔からの婚約者だもん。神様がお定めになったんだよ。だから、シーシアさまのことを誰もお慕いしてはいけないの。神様の祝福をお受けしたお2人は、お互いを慈しみ、お互いだけを愛し合うものなの。なのにイザヤどのは女性関係に奔放だし、まいらを側に置くし……」
あー。
何か、わかってきた。
わかるけど、カピトーリ側の宗教って、押し付けがましいな。
「なるほどなあ。やっと、ちょっとわかってきた。でもさ、イザヤは、リタ達と同じ神を信仰してへんやん?そこが大きく違うんじゃない?イザヤにはイザヤの信仰と信条の自由があるんだし。」
そう言ったら、リタの顔が強張った。
私は慌ててフォローした。
「何で2人は婚約を解消しないんやろね?価値観違い過ぎてうまくいくわけないやん?お互いに不幸かも。シーシアだって、イザヤより、同じ神をいつまでも崇めるヒトのほうが幸せになれはるやろうに。」
でもフォローになってなかったみたい。
リタは呆れたように私を見た。
「まいらってイザヤどのに似てる。自由恋愛って言うの?動物みたい。イザヤどのは、完璧なシーシアさまに、神様がお与えになった最後の試練なの。シーシアさまは立派にイザヤどのを改心させて、正しい道へといざなわれるの。」
……そう言って、リタはポタポタと涙をこぼした。
何だ、それ。
全く意味がわかんないわ。
てか、他人の宗教に勝手に巻き込まれてるイザヤが、何だか哀れじゃない?



