ここはディストピア あなたは亡国の騎士 わたしは愛玩物

「ミシルトは、イザヤの領地で何がしたいの?……ティガと同じ?あの湖や島を調べたいの?」


考えてもわからないので、直接本人にそう聞いてみた。


イザヤは、きょとんとしていた。

……どうやら、イザヤは、ミシルトが本当に自分に恋して結婚したと信じて疑ってないらしい……。



「直球だな。」

ミシルトのそばに控えていたニコルスの揶揄に

「だって知らなきゃ協力しようもないやん。」

と答えた。



「……協力……ねえ……。……それって、こちらのカードを聞き出す方便ですか?それとも、本気で言ってるの?」

ミシルトは冷ややかにそう聞いた。



私は、迷わず答えた。

「両方。ミシルトの事情を知りたいし、できることなら協力したいって本気で思ってる。」



ぶぶっと、ニコルスが吹き出して笑った。


ミシルトは笑わなかった。

「お花畑なお嬢様ね。簡単にそんなこと言うもんじゃないわよ。……イザヤさまみたいに、死ぬほど後悔することになるわよ。」


侮蔑され、私も生来の負けず嫌いが鎌首をもたげた。

「男を手玉に取るお姫さんよりいいでしょ。ねー?イザヤ。」


突然、同意を求められても、イザヤは引きつったまま固まっていた。



そんなイザヤを哀れなもののように、ミシルトは見下していた。



その目を見て、……ティガを思い出した。


「……ああ、そうか。ミシルト、ティガに似てるんや。せやし、ちゃんと聞けば教えてくれるような気がしたのかな。……そういや、ティガ、ミシルトのこと、めっちゃ褒めてたわ。美人、快活、頭がいい、って。……え?……ミシルト?」



いつの間にか、ミシルトの無表情が崩れていた。

頬……どころか、顔中……いや、首まで真っ赤になっている。


……これは……デレ?

えーと……て、ことは……


「ミシルト、ティガが好きなんや……。」