「……そうかもしれない。……さすが、策士だな……。」
「もっと言えば、イザヤより、初夜に立ち会ったかたがた、ヤバくない?……一筆書いてもらった?まさか、口約束じゃないでしょうね?」
「いっぴつ……念書か。……いや。まさに、口約束だけだ。だが、私は、ティガを信じている。」
……えーと……。
やっぱり、軍隊のない国に生まれ育ったイザヤは、ティガやドラコよりも、平和ボケしてると思うなぁ。
書面があったって、ぶっちぎるのが戦争なのに。
個人同士の信頼関係なんて、国と国との軋轢の前に、通用するとは思えない。
まあ……ティガは……疑ってかかるより、信頼してるほうが、恩情をかけてもらえるような気はするけどさ。
いずれにせよ、イザヤがティガを信じると言うのなら、仕方ない……か。
ごちゃごちゃ文句を言うのは、控えよう。
私は、大きく深呼吸をして、それからイザヤの胸に頬をすりつけた。
「……わかった。イザヤがティガを信じるなら、私も、信じることにする。……この国がどうなっても、イザヤがどうなっても……私は、宰相になるティガじゃなくて、イザヤと一緒にいたい。……先行き不安でも。」
「ああ。そのつもりだ。ずっと側にいろ。私もそなたを手放すつもりはない。辺境に左遷されても連れて行く。領地も職も解かれたら……そうだな……楽器を持って、吟遊詩人になって放浪することになるだろうが……そなたも一緒に来て、ともに奏でてほしい。」
それが、ただの夢物語ではなく、イザヤの覚悟の一端だということに気づいた。
なるほど。
オーゼラがカピトーリに併合されたら、イザヤは貴族ではなくなってしまうかもしれない。
しかし、武人としての力量と音楽の天賦の才は無視し得ないはずだ。
……まあ……生活水準は落ちるけど、とりあえずは食べて行ける……かな?
ふふっと私は、笑った。
「そうね。意外と、何とかなるかもね。」
そうだ。
借金まみれになってまで蒐集した楽器もあるし……って、楽器を手放すのは、イザヤ、嫌がるかな。
「大丈夫だ。私はこれでも武人だ。野営も徒歩の行軍も、経験している。」
……経験って……ただの、訓練なんだろうなあ……それ。
苦笑して、私は頷いた。
「もっと言えば、イザヤより、初夜に立ち会ったかたがた、ヤバくない?……一筆書いてもらった?まさか、口約束じゃないでしょうね?」
「いっぴつ……念書か。……いや。まさに、口約束だけだ。だが、私は、ティガを信じている。」
……えーと……。
やっぱり、軍隊のない国に生まれ育ったイザヤは、ティガやドラコよりも、平和ボケしてると思うなぁ。
書面があったって、ぶっちぎるのが戦争なのに。
個人同士の信頼関係なんて、国と国との軋轢の前に、通用するとは思えない。
まあ……ティガは……疑ってかかるより、信頼してるほうが、恩情をかけてもらえるような気はするけどさ。
いずれにせよ、イザヤがティガを信じると言うのなら、仕方ない……か。
ごちゃごちゃ文句を言うのは、控えよう。
私は、大きく深呼吸をして、それからイザヤの胸に頬をすりつけた。
「……わかった。イザヤがティガを信じるなら、私も、信じることにする。……この国がどうなっても、イザヤがどうなっても……私は、宰相になるティガじゃなくて、イザヤと一緒にいたい。……先行き不安でも。」
「ああ。そのつもりだ。ずっと側にいろ。私もそなたを手放すつもりはない。辺境に左遷されても連れて行く。領地も職も解かれたら……そうだな……楽器を持って、吟遊詩人になって放浪することになるだろうが……そなたも一緒に来て、ともに奏でてほしい。」
それが、ただの夢物語ではなく、イザヤの覚悟の一端だということに気づいた。
なるほど。
オーゼラがカピトーリに併合されたら、イザヤは貴族ではなくなってしまうかもしれない。
しかし、武人としての力量と音楽の天賦の才は無視し得ないはずだ。
……まあ……生活水準は落ちるけど、とりあえずは食べて行ける……かな?
ふふっと私は、笑った。
「そうね。意外と、何とかなるかもね。」
そうだ。
借金まみれになってまで蒐集した楽器もあるし……って、楽器を手放すのは、イザヤ、嫌がるかな。
「大丈夫だ。私はこれでも武人だ。野営も徒歩の行軍も、経験している。」
……経験って……ただの、訓練なんだろうなあ……それ。
苦笑して、私は頷いた。



