「……まあ……いいんじゃない?……イザヤどの、今さら、まいらの容姿とか、関係ないっしょ。」
「そう思う?……呆れられたよ?」
涙目でそう言ったら、リタは苦笑いしていた。
***
その夜、私は熱を出した。
たぶんシーシアのもたらした冷気による不調と、理解し合うことの困難な状況に知恵熱を出したのではないか……と、思う。
「ぬるい温泉も、逆効果だったのかもしれませんね。」
早めに自室に戻ろうとしたら、ティガが熱冷ましのお薬をくれた。
「ありがとう。これ、いただいて、もう寝るね。……いざや。おいで。」
フルーツ籠に潜り込んで葡萄を囓っていた伊邪耶が、ひょこりと顔を出し、這い出て来た。
手を差し出すと、パタパタパタ……と、伊邪耶は一生懸命飛ぼうとして、放物線を描いて落ちていく。
「……この子も、調子、悪そうですね。急に寒くなって、堪えたのかもしれませんね。かわいそうに。」
床に落ちる直前で、ティガが伊邪耶を手のひらで受けてくれた。
「そうなの?いざや、大丈夫?……ペットヒーター……とかって……ないよね。……どうしよう……。」
「毛布を準備してもらいましょうか。」
「毛皮のほうが、あったかいんじゃない?」
小さな小鳥を一緒に心配してくれるティガとリタの優しさが、心に沁みて……何だか、泣けてきた。
……私、身体だけじゃなくて、心も弱ってるみたい……。
「ちょ!まいら!泣いてる!……わ!熱、高っ!」
リタが、私の額に手を当てて、驚いた。
「……ん。熱、あるなら、いざやと一緒に寝たら、いざや、あったかいかなあ。」
そうつぶやいたら、ティガが息をついた。
「寝返りで、潰れしまいますよ。……では、鳥のいざや殿は、私が看病いたしましょう。まいらは、心配なさらず、おやすみなさい。」
即答はできなかった。
でも、今こうしていても、熱が上がっているような気がして……結局、ティガに甘えさせてもらった。
「ほら、まいらは、寝る!イザヤどのが帰って来たとき、まいらが寝込んでたら、怒るよ、たぶん。」
リタが、そういって、私を急かした。
「……帰って……来るかな……。」
また涙が広がった。
……やっぱり熱やばそう。
すごく心細くて、不安で……淋しいみたい。
「そう思う?……呆れられたよ?」
涙目でそう言ったら、リタは苦笑いしていた。
***
その夜、私は熱を出した。
たぶんシーシアのもたらした冷気による不調と、理解し合うことの困難な状況に知恵熱を出したのではないか……と、思う。
「ぬるい温泉も、逆効果だったのかもしれませんね。」
早めに自室に戻ろうとしたら、ティガが熱冷ましのお薬をくれた。
「ありがとう。これ、いただいて、もう寝るね。……いざや。おいで。」
フルーツ籠に潜り込んで葡萄を囓っていた伊邪耶が、ひょこりと顔を出し、這い出て来た。
手を差し出すと、パタパタパタ……と、伊邪耶は一生懸命飛ぼうとして、放物線を描いて落ちていく。
「……この子も、調子、悪そうですね。急に寒くなって、堪えたのかもしれませんね。かわいそうに。」
床に落ちる直前で、ティガが伊邪耶を手のひらで受けてくれた。
「そうなの?いざや、大丈夫?……ペットヒーター……とかって……ないよね。……どうしよう……。」
「毛布を準備してもらいましょうか。」
「毛皮のほうが、あったかいんじゃない?」
小さな小鳥を一緒に心配してくれるティガとリタの優しさが、心に沁みて……何だか、泣けてきた。
……私、身体だけじゃなくて、心も弱ってるみたい……。
「ちょ!まいら!泣いてる!……わ!熱、高っ!」
リタが、私の額に手を当てて、驚いた。
「……ん。熱、あるなら、いざやと一緒に寝たら、いざや、あったかいかなあ。」
そうつぶやいたら、ティガが息をついた。
「寝返りで、潰れしまいますよ。……では、鳥のいざや殿は、私が看病いたしましょう。まいらは、心配なさらず、おやすみなさい。」
即答はできなかった。
でも、今こうしていても、熱が上がっているような気がして……結局、ティガに甘えさせてもらった。
「ほら、まいらは、寝る!イザヤどのが帰って来たとき、まいらが寝込んでたら、怒るよ、たぶん。」
リタが、そういって、私を急かした。
「……帰って……来るかな……。」
また涙が広がった。
……やっぱり熱やばそう。
すごく心細くて、不安で……淋しいみたい。



