その夜、屋敷に魁斗が戻ってくる事はなかった。 魁斗のいなくなった俺の部屋は、こんなにも広かったのかとさ思わせ、凄く寒い。 暖炉に薪をくめてもくめても、部屋は暖かくなっても、心までは温かくならない。 身から出た錆とは言え、この虚しさをどう処理すれば良いのか分からず、スケッチブックを前に途方に暮れていた。 今後、迫との仕事で忙しくなるのに、スケジュール調整まで自分で出来るのかと、少し不安を感じる涼夜だった。