収録が終わり、涼夜が控え室に戻ると、先に控え室に戻っていた魁斗は、ただならぬ空気を纏っていた。
「どうした?」
「涼夜《おまえ》結婚するって本当か!?」
「…なんだ、もう連絡入ったのか?」
「どうなんだ!?」
「するよ?」
「どうして!?」と聞く魁斗に、涼夜は会社の為だと言う。
「会社の為なら、なぜ、持ち株手放した!?
会社を奪い返すのが、涼夜《おまえ》の目的だったんじゃ無いのか!?」
「ああ、そのつもりだったけど‥状況が変わった」
「状況が変わった‥?」と聞く魁斗に、涼夜は無表情で「妊娠した」と言う。
そして「誰が?」と聞く魁斗に、見合い相手の鮎妃都美が妊娠してると涼夜は話した。
「妊娠って…涼夜《おまえ》…
見合い相手に会ったのはついこないだだろ?」
驚く魁斗に、妃都美のお腹の子は雅の子だと涼夜は話す。
「はぁ!? 意味わかねぇ!
じゃ、雅さんは、自分の女を涼夜《おまえ》の見合い相手にしたのかよ!?」
「そう言う事になるな?」
「なるなじゃないだろ!?
お前は他人の子を孕んでる女と結婚するのかよ!?」
「やっぱり魁斗《おまえ》知ってたんだな?
俺が親父の実子じゃない事?」
「・・・・・」
何も言わない魁斗に、涼夜は「まぁ良い」と言って、鞄から一枚の書類を出し魁斗へ手渡した。
「これは…」
涼夜が渡した物は、魁斗の父親名義の借用書だった。
「親父から返して貰って来た。
もう、親父のコマにならなくて良いぞ?」
「っ!?…いつから…」
驚く魁斗に、涼夜は悲しげに微笑む。
「最初のプロジェクト‥邪魔されてから…」
「じゃ、最初からって事か…
なぜ…黙ってた…?」
「だって自業自得だろ?
考えれば分かったはずなのに…魁斗《おまえ》がおれを恨んでる事くらい…?
幼かったとはいえ、愚かな俺が犯した罪の贖罪…
魁斗《おまえ》の親父さんの借金は、俺が作らせた様な物だろ?」と涼夜は言う。

