全てを失っても手に入れたい女がいる 2


「‥‥‥むり‥‥‥ひどい‥‥‥」

(‥‥パタン)

ドアの閉まるのを確認して、涼夜はバスルームから出て来た。
そして、妃都美の居なくなった部屋で、ソファーに座りひとりほくそ笑む。

「逃げられちゃいましたよ?
さて、この後どうします?お父様」

涼夜は、必要の無くなった部屋をチェックアウトし、屋敷へと帰った。