全てを失っても手に入れたい女がいる 2


ファッション街へ移動すると、直ぐに生放送の中継は始まった。

『はい!今日も始まりました。午後からGO GO!
今日は、女性は勿論、男性からも絶大な支持を得てる世界でもトップモデルの涼夜さんの出現情報を得て、こちらは有名ファッションデザイナーのお店が多く建ち並ぶ、M街までやって来ました。が、なんと!ナント!!
涼夜さんをホントに見つけちゃいました!!
それでですね! さきほど、涼夜さんにご無理を言いまして、今から涼夜さんに生密着取材させて頂く事になりました!
涼夜さん、お話によりますと、今日はお買い物をされに来られたと言う事ですが、今日はなにを買われるご予定ですか?』

「ちょっと早いですけど、春物を何枚か…」

『皆さん!
涼夜さんの私服興味有りますよね?
特に男性の皆さんは、涼夜さんのファッション、マネしたいと思う人多いんじゃないですか?
女性の皆さんは、上手くいくと試着姿観れるかもしれませんよ?
涼夜ファンの私もワクワクドキドキして来ました!』

レポーターの女性が盛り上がる中、涼夜はblackbirdとティーストが似ていて、雅がライバル視してる【CRAP迫】へと入ると、直ぐに服を選び出した。

『涼夜さん…?
あの…ここは…迫さんのお店ですけど?
blackbirdのお洋服以外でも…良いんです…か?』

「まぁblackbirdは僕の父のブランドでは有りますが、必ずしもblackbirdの服を着なくてはいけない訳では無いですよ?」

『でも、涼夜さんはblackbirdのモデルを…』

「ええ、blackbirdと契約はしてましたが、その契約も終了しましたので、今後は自分がデザインした服も含めて、色んな方々のデザインした洋服を着て、ファッションを楽しみたいと思います」

「と言う事は、これからは男性モノもデザインすると言う事ですか?」

「ええ。勉強したいと思ってます。
それに迫さんのデザインする洋服は昔から好きで、フランスにいた頃は、プライベートで良く着てたんですよ?
なので、今日はいくつか買って帰りたいと思ってます。
あ!良かったら、僕に似合う服、選んで貰えませんか?」

『えっ!? は、はい!喜んで!!』

涼夜に服を選んで欲しいと言われたレポーターは、嬉しさのあまり声が裏返っていた。