どこか照れながら話す姿に、顔から火が出そう。

「俺にだけは甘えてほしいと思うようになった。……だから俺、もっと瑠璃ちゃんのことを知りたい」

「副社長……」

 真っ直ぐな想いをぶつけられ、苦しいほど胸が締めつけられる。

「だから瑠璃ちゃん、覚悟して。俺のことを好きになってもらうから」

「……っ! なんですか、それは」

 最後は通常の副社長に戻っていつも通り返すと、ホッとした顔を見せた。

「うん、そうやって普通に接してよ。それで俺の知らない瑠璃ちゃんをもっと見せて」

 甘い瞳で囁かれ、ずっとドキドキしている心臓が壊れそう。

 どうして副社長にときめいちゃっているの? 私……もう恋愛はしないって決めたよね? それなのに……。

 必死に胸の鼓動を鎮めていると、静観していた圭太君が私の腕にしがみついた。

「言っておくけど瑠璃ちゃん、僕もだからね?」

「えっ?」
「えっ?」

 声をハモらせた私と副社長に、圭太君はかわいい笑顔で言った。