な、なにこの可愛すぎる天使は……! 手なんていくらでも繋いであげるに決まってるじゃない!

 なんて心の中では思っていても、感情を表に出すのが下手な私の気持ちは、男の子に伝わっていないようで様子を窺っている。

「やっぱりだめ……?」

 子犬のようにプルプル震え出した男の子に、大きく首を左右に振った。

「だめじゃないよ。えっと……どうぞ」

 戸惑いながらも手を差し出すと、男の子は目を輝かせて勢いよく私の腕に抱き着いた。

「ありがとう、お姉さん!」

 そして満面の笑みで言われたら、私の心臓は止まりそうになる。

「ど、どういたしまして」

 もうこの子、本当に可愛すぎる。機体が揺れると私の腕を掴む力を強めるとか……!
 初対面の子なのに、全力で守ってあげたくなっちゃうじゃない。

 先ほどよりは落ち着いたようだけど、まだ揺れるたびに身体が反応しちゃっている。子供からしたら、この揺れは怖いよね。

「え……お姉さん?」

 急に頭を上げて、びっくりした顔で見つめられて気づく。無意識のうちに男の子の頭を撫でていたことに。

「ごめんなさい! つい……っ!」

 すぐに手を引っ込めたものの、男の子のことを直視できない。