…はぁ。キツいなぁ。

あたしにとって初めての彼氏だった。
好きが増していく度に緊張も比例して高まってしまい、一緒に過ごして居ても上手く話せずに黙ってしまうことが多々あった。
沈黙が続くなんてこと、ザラにあったから、きっとつまらなかったよね。
失恋って、こんなに辛いんだ…。


「ううっ…」


溜めていた涙が溢れ出したのを皮切りに、同時に抑えが効かなくなる。


幸い、公園の近くを通っていく人は居ない。


『大丈夫?迷子なの??』


…え?


人がいないと思っていたのに、真上から声が降ってくる。
びっくりして、思わず顔を上げると同い年くらいの男の人が立っていた。


涙でぐちゃぐちゃになっているであろうあたしの顔を見て、ギョッとした顔をしたその人は、とっても落ち着いている雰囲気をしていて、それはぐちゃぐちゃに乱れていたあたしの心も落ち着かせてくれているみたいだった。