きっと、キミのせい



『おい、お前なんかめっちゃ見られてんぞ…!』


そうコソッと耳打ちしてきたのは親友の藤川 優(ふじかわ・すぐる)。


優とは幼馴染で、小さい頃からの付き合い。


部活も同じだから家族よりもコイツと過ごしている時間のほうが長いんじゃないかと思う。


…言われてみれば視線を感じないこともない。


『隣に居るの菜摘じゃん。てことは朝比奈ちゃんじゃね?』


「朝比奈?誰?」


『去年、菜摘んとこになっちゃんなっちゃんってよく来てた子だよ』


「あー、来てたかも。」


確かによく来てたかも。ちゃんと覚えてないけど。


さっきからずっと送られ続ける視線に耐えきれず朝比奈さんの方を向くと朝比奈さんは目を見開いた。


あ、公園の女の子だ。


だからあの時見たことがあったように感じたんだ。


1人で納得して視線を元に戻す。


それからすぐに担任が教室に入ってきてホームルームが始まった。


担任の諸連絡を聞きながら、ボーッと朝比奈さんとの出来事を振り返る。


朝比奈さんと出会ったのは春休みだった。