あたしはかつて無いほど焦っていた。


すごく。それはそれはとても。


『山下先輩が佐藤くんに告白したらしい』


学校に着いた途端にそんな噂が耳に飛び込んできたから。


どうしよう?


「どうしよう!!なっじゃぁぁあん!!」


ゲッッって顔してなっちゃんが振り向いた。


『わかってるよ〜言いたいことわかってるよ〜』


「超絶イケメンと超絶美人が、、ドラマのような展開だよこれは…」


動揺のあまり、息も絶え絶えに伝える。


『陽、提案があるんだけど、一回落ち着かない?』


ふぅー。っと深呼吸をしてなっちゃんに向き直る。