だけど茉由さんの気持ちがわからないのが難点だ。
俺のことをどう思っているんだろう?と考えながらいつも朝比奈さんの真っ直ぐさを見習いたくなる。
朝比奈さんはいつも真っ直ぐだ。
自分で言うのもなんだけど、これまで割とモテて来たからその気持ちに応えるかどうかは別として、俺だってそれなりに自惚れる。
俺も真っ直ぐになれたらいいのに。
いつものように特に会話もなく、考え事をしながら歩いていると隣の足音が止まるのが聞こえる。
『ねぇ、蒼?』
茉由さんの透き通った声が何故だかいつもとは違う声に聞こえた気がした。
『あたし、蒼のこと好きなの。』
「え…?」
突然の出来事に思わず困惑する。
