きっと、キミのせい



1年生が競技している間もずっとドキドキしながらも何だかんだスタンバイしている佐藤くんから目が離せない。


次は2年生ですというアナウンスが流れ、佐藤くんがスタート位置に着く。


佐藤くんはどんな紙を引くんだろう?


そんなことを思いながらもジーッと佐藤くんを見ていると一瞬だけ目が合った気がした。


えっ、えっ?やばい落ち着けあたし。


パン!と音を立てて一斉にスタートする。


佐藤くんは引いた紙をじっと見つめていたけれど、いつもの無表情とは少しだけ違って心なしか少し戸惑っているように見える。


キョロキョロ視線を動かして誰かを探してるみたい。


あっ、という顔をすると他には見向きもせずにずんずんこちらに向かってくる佐藤くん。


『マジでこっち来てんじゃん!陽!』


なっちゃんの興奮気味な声に反応することもできない。