「嬉しいのか泣きそうなのかどっちなの。」
『総括すると嬉しいの!』
そう少し大きめの声で言うと、右の頬にだけエクボができて、顔をくしゃくしゃにして笑っていた。
なんだそれ。俺もそんなに自分の気持ちをストレートに伝えてみたいよ。
顔の周りに花が咲いてるみたいだな、なんて呑気に思った瞬間、感じたことのない心臓の高鳴りが訪れた。
…何これ。
『あ、あたしのお家ここだから。また後でスタンプでも送るからあたしのLINE登録お願いします!今日は本当にありがとう!また学校でね!』
自分に戸惑っているうちに朝比奈さんの家に着いたみたいで内心ホッとする。
「了解。こちらこそありがとう。また学校で。」
やっとのことで言葉を絞り出し、朝比奈さんと別れる。
本当に、家に着いてよかった…
あのまま会話を続けられる自信がなかった。
