『ねーちゃん、おはよ。』


『陽(はる)、おはよう。早くご飯食べなさいよ。』


『お母さん、洸希(こうき)、おはよ。』


あたしは少食なわけじゃないけど、朝から食べられないタイプだから、いつもサラダと卵焼きと味噌汁でサラッと済ましている。


弟の洸希は今日から中学生。


学ランがぶかぶかで見た目は可愛いのに、反抗期なのか思春期に突入したのか、ムスッとしていてあまり喋らなくなってしまい、可愛くない。


それでも挨拶してくれるだけマシなのかも。


ささっとご飯を済ませてボーッとハミガキをしながら、髪型何にしようかなあと考える。


髪をゆる〜く巻いて、春っぽいピンクのリップを塗って行こう!と決める。


一応高校の入学式の時は、髪巻いたから、なんかげん担ぎ?みたいな。


「洸希〜入学式緊張する?あたしのハグ、要る?」


まぁ、ここはお姉ちゃんとして(?)


『寝ぼけてんの?』


む。スカしちゃってさぁ、本当可愛くないな〜。


この前まではおねーちゃんおねーちゃんうるさかったくせに。


『陽、早く学校行きなさい。』


お母さんが急かす。


「はーい。行ってきます。」