きっと、キミのせい



『なんかごめんね、送ってもらっちゃって。』


…朝比奈さんを送ることになるのは予想外だったけど。


「いや、別に、帰り道だから。」


優は、朝比奈さんの家が俺の帰り道にあると知ってか知らずか、送ってやれよと言ってきた。


…あーあ、朝比奈さんはこの無言に気まずく思ってるに違いない。


『そういえば、佐藤くん、セッターやってるんだね?』


…そういえば部活見学来てたんだっけ。


『佐藤くんのセットアップ、とっても綺麗だった。』


そうだよ、と言う前に、遠くを見つめながら朝比奈さんはぽつり、と言った。


佐藤くん、かっこいい!とか漠然と言われたことならあるけど、セットアップだなんて具体的に褒められたことなんて初めてのことだ。


なんだかむず痒い。


何の返しもできず、思わず横を見てしまう。


朝比奈さんってこんなに小さかったっけ?


我に返ったかのようにいきなりバッ!とこっちを見上げる朝比奈さん。