「また?」
そんなにいつも喧嘩しているのだろうか。
キャラ的に、朝比奈さんは母親と仲良しなタイプに感じる。
『友達と勉強してくるって言ったら、それで良い点数取れるの?そんなことしてるからパッとしない成績しか取れないのよ、洸希はテスト直前に友達と勉強なんかしないわ。って言われちゃった。』
意外と朝比奈さんの母親は厳しいのな。
『あ、洸希っていうのは弟なんだけどね、あたし弟といつも比べられてるの。虚しいでしょ。』
虚しいでしょ、と言ったその顔は悲しみで溢れていて、今にも泣き出しそうなのに無理に笑いながらえへへ、なんて強がっている。
こんな時、スマートな男だったらなんて声をかけてあげるんだろうか。
辛いね。とか?
勉強が全てじゃないよ。とか?
気休めな言葉さえ掛けられない。
『あたし、出来損ないなんだ〜。』
「そんなこと、ないと思う。」
紛れもない本心をやっと言葉に出来たけれど、当たり障りがなさ過ぎてちゃんと伝わっているのか不安だ。
出来損ないだなんて悲しいこと言わないでほしい、そんな悲しい顔しないでほしい、朝比奈さんにはとことん笑顔が似合うんじゃないか。
