次の日、集合時間よりも少し早めに公園に着いた俺は、ベンチに座ってぼーっと木々を見つめる朝比奈さんを見つけた。
すっかり季節は夏らしくなってきて草木が青々としている。
目的は同じなのに別々で待っているのも何か違うなと思い、朝比奈さんが座っているベンチに俺も腰掛ける。
『あっ、佐藤くん、おはよ!』
さっきまで瞳は憂いを帯びていたのに、一気にキラキラしたものに変わる。
「おはよ。」
「どうか、したの。」
…まただ。
別にほかっておけば良いものを、。
俺は他人と深く関わるのは苦手なはずなのに。
こうやって朝比奈さんに声を掛けるのは2回目だ。
『えっ?』
朝比奈さんはどうしてそんなこというの?とでも言いたげで、明らかに戸惑っている。
「浮かない顔、してたから。気のせいだったら、ごめん。」
『あー、お母さんとまた喧嘩しちゃったの。』
