「可愛い」があふれる世界へ!

「Hey(ねえ)Talaltam egy finom ettermet.(おいしいお店を見つけたの)Nem nennel ebedre?(お昼に行かない?)」

エリザベータは微笑み、花音に訊ねてくれる。彼女はいつもそうだ。仕事に集中し過ぎるあまり、体調をたまに崩す花音を心配して外へ連れ出そうとする。

しかし、いつだって花音はそれに気づかないふりをするのだ。

「Sajnalom(ごめんね)Szeretnek meg nehany munkat vegezni (仕事をもう少ししたいの)」

花音が何度目になるかわからないその言葉を言うと、エリザベータは頰をぷくりと膨らませ、花音の隣に立つ。

「もう!花音ったらいつもその言葉ばっかり!私たち、休日に一緒に遊びに出かけたこともないじゃない!!」

「ランチには一緒に行くじゃない」

「あなた、こっちに来てもう二年経つんでしょ?なのに、観光地へ遊びに行ったことないじゃない!!」