賛美歌、
眼下に映る花、花、花
風、
そよぐ程度の柔らかな風、
教会のパイプオルガン、
包む光、明かり、
明かす事の出来ないものに蓋を、
陽の光に落ち着く屋根、
朝露が四方に輝きだすのは翠緑の上、
転がる石、茂る初草を渡っている、
芽を摘む男と女は柔和である、
そこに覚える恐怖、虚構、
全ての悪に制裁を、我々は善である、
そよぐ風、呼応する草花、摘まれる芽、
あゝ無常、無情、
それは人としての在り方、必然、
踏まれる若葉、
時として神は、人は、足を踏み外し、
立たされた断崖絶壁から落ちてしまう、
一変、暗く、地の底から呻く声、
続く落下に何度も目が覚める、
冴えることのない頭、おかしな話、
振り向かずとも感じる、
どんどん崩れてゆく一本道、
目を開けずとも感じる、
先のない岩肌、
後ろから崩れてゆく、先のない細い道、
一人、
生い茂る草、樹、華、青々とした空、陽の光、
いつか見た河音、いつか聞いた紅葉、
陳謝。感謝。