そしていきなり、

「俺、琴音ちゃんのこと、好き!だから…俺と付き合って!」

顔を真っ赤にしながらそう言う目の前の男の子…

見覚えはある。確か男子にも女子にも人気の…あれ?名前なんだっけ?

「あの、申し訳ありませんが、どちら様ですか?それと、どこに付き合えばいいんですか?」

あれ?なんでだろう。さっきまで真っ赤だった顔が一気に真っ青になった。

「名前、覚えてくれてないんだ…それに、さっきの告白の意味もわかってないんだ。」

今なんて言ったの?ボソボソしてて聞こえなかった。

そして彼は深呼吸して続けた。

「えっと、俺は琴音ちゃんと同じクラスの、九条 和也。覚えてくれてなかったの?委員長なのにー」

えっ?おんなじクラス!?じゃあ敬語じゃなくてもいいんだ!ていうかそれよりも!

「委員長って言わないで。みんなに押し付けられてなってしまったんだから。」

私はクラスの委員長をしている。でも、自分から「やりたい!」と言ったわけじゃない。

「そうだったんだ、ごめんね。」

九条さん、という人は、とても申し訳なさそうに謝った。