無邪気な彼女の恋模様

散々お説教をされ、もう私は立場がなくなっていた。
うう、まさか上司からプライベートなことでお説教されるなんて思ってもみなかった。
ていうか、波多野さんと付き合ってるって公言していないのに、木村さんといい三浦さんといい、何で知ってるんだろう。

「あの、何で波多野さんと付き合ってるって知ってるんですか…?」

「えっ?見れば分かるけど、まさか隠していたの?」

私の言葉に、三浦さんは怪訝な表情をした。
うわぁぁぁ、恥ずかしい!
まさかそんなバレバレだったなんて。
ううう、いろいろ胸にグサグサくるよぅ。

「で、さっき言ってた波多野さんに他に好きな人が~っての、何のこと?」

三浦さんは遠慮なしにズケズケと聞いてくる。
言うのは憚られるけど黙るのもまた怒られそうな気がして、私は勢いまかせに言う。

「あの、えっとー、三浦さんはもし彼氏さんに浮気疑惑が浮上したらどうします?」

突然の私の質問に、三浦さんはまた眼光鋭く私を見る。

「はあ?」

「す、すみません。なんでもないです。」

三浦さんの迫力に怯み、慌ててなかったことにしようと首を振る。
けれど三浦さんは、そうねぇと一度間を置いてから言った。

「疑惑でしょ。きちんと話し合うわよ。ひとりで考えてたってモヤモヤするだけだし、直接本人に聞くのが一番よ。」

「…ですよねぇ。」

ていうか、それができないから余計にモヤモヤしているんですけど。

「もー、あなたたち、仕事はできるくせに恋愛になるとなんでそんなに不器用なの?」

三浦さんは呆れながらクスクス笑った。
だけどその声は意外と優しくて、私は少し安心する。