無邪気な彼女の恋模様

三浦さんは木村さんがいなくなったことを確認すると、大きなため息をつき私をじとりと睨む。

ええー、半端ないプレッシャー。
もしかしてさっきの見られてたとか、そんなことないよね?
ヤバイ…逃げたい。

冷や汗をかきながら待ち構える私に、三浦さんはまたため息ひとつ、口を開く。

「百瀬さん、もうちょっと危機感を持って行動してくれるかしら?」

「は、はぁ。」

こ、これは、お説教でしょうか。
私は覚悟しながらも身を小さくする。
三浦さんは腕組みをして私を睨み付けた。

「あなた、波多野さんに愛されてる自覚ないの?」

「愛されっ?へっ?」

な、なななな、何を言い出しますか!
そんなことを言われるなんて思いもよらず、私は一気に体温が上昇する。
ありえないくらい顔は真っ赤になっていると思う。
そんな私に三浦さんは冷ややかだ。

「波多野さん今日客先に出てるから、百瀬さんのこと見張っててって。普通上司にそんなこと言う?危なっかしいんですって。」

「…すみません。」

返す言葉がなく、とにかく頭を下げるしかない。
私はこれでもかというほど項垂れた。

危なっかしい…かぁ。
そうだよね、仕事とはいえ木村さんと安易に二人っきりになっちゃうし、あげく抱きしめられて逃げることができないなんて、ほんと情けないよ。
波多野さんだってあきれちゃうよね。