無邪気な彼女の恋模様

「何だか初々しいわねぇ。」

私たちのやり取りを見て、母がクスクスと笑う。
母は特に反対するでもなく、この状況を楽しんでいるようだ。
父はうーんと考え込んでいる。
渋い表情の父を見ると不安になってしまう。
同棲はダメなのかな?
そっと波多野さんを見ると、力強く目配せをしてくれて、私の心は幾ばくか落ち着いた。

「花緒さんは仕事もよくできて気も利くし、それでいてとても可愛いので、まわりからの評価がとても高いんです。」

「は、たのさん、何をっ…!」

波多野さんの言葉に驚いて私は思わずのけぞった。
それを波多野さんは軽く手で制す。

「花緒さんを誰にも取られたくないし、守りたいと思っています。どうか許可していただけないでしょうか。」

波多野さんは深々と頭を下げた。
私は波多野さんのその姿、言葉に感動してうち震え、後を追って頭を下げる。
波多野さんの真剣さが伝わってきて、言葉では言い表し様のない感情に襲われた。