”じゃあね、また明日‘‘



その言葉は私たちにとって、合言葉みたいなもの。



明日、いなくなってしまうかもしれない。


もしかしたら、もう二度とこうして言葉を交わせないかもしれない。



それがわかっているから、また明日、根拠のない約束を交わす。


いつか、現実になってしまったとき、私はどうしたらいいのか分からなかった。



もう、元には戻れないほど、大好きで、失いなくなくて、怖い。



もし、本当にこのまま春斗がいなくなってしまったらどうしよう。




不安に背中を押されるように、進む。



病院についたとき、春斗のお母さんは祈るように手を合わせていた。



その先にあるのは手術室だ。



いつも、そう。



こんなとき、私たちにできるのは祈ることだけ。