傾いた夕日がやけに私の心をはやらせる。


"彩ちゃん!春斗が、春斗がっ・・・・!”


頭の中で何度も流れてくる。



"急に容体が悪くなって、もうダメかもしれないってーーーー。”



その瞬間、すべての音がかき消えて、私の手からスマホが滑り落ちた。



何かが欠けた、音がした。




泣き声にも似た春斗のお母さんの声が、ぐるぐる回ってる。



春斗がいないなんて想像できない。




私の生活に春斗がいないなんて考えられないよ・・・。


おねがい、間に合って。


伝えたいことが、伝えなきゃいけないことがあるのーーーー。