どうやら、さっきからそれほど時間は立っていないようだった。


私の体に、けがは一つも見当たらない。


目の前にいる【私】はそれは無残な姿をしていた。


絶え間なく流れる血は雨に流されて、排水溝に流れていく。





だけど、そんなことはどうでもいいと思ってしまった。


たとえ、ここに居る【私】が死のうと、春斗だけは失うわけにはいかないんだ。



私は自分から目を背けた。


天から落ちる雨粒すらも私を通り抜けて、私は走り出した。


ただ、間に合ってほしい。


連れ戻してやりたい。


なに、こんなところで負けそうになってんだって活をいれてやる。