十字路の信号が青になった。


わき目もふらず、わたしは飛び出した。



厚い雲に覆われた空は暗くて


踏み出した足が、ばしゃっと大きな水たまりを踏んで靴下が濡れた。


いっそローファーも靴下も脱いで裸足のまま駆けて行った方が楽かもしれない。


私は必死に走っていた。






・・・まるで、時間に追いつかれないように




ブーッ!!!



ハッとして顔を向けた時には遅かった。



衝撃で足が止まった。



強い力で体が空中へ投げ出された瞬間



体の中でぼきっと嫌な音がして



体が地面に擦られて打ちつけられるのを感じた。