彼の言葉に、頭が真っ白になった。



「好きな人、いるんだ…?」



声が震えてないことを祈りながら聞く。



「いる。可愛くて、ちっこくて、危なっかしい子。意外と人気なのに、本人が鈍感すぎて、まわりの男からの好意に気づいてないんだよ。」



その話をしてる時の彼の顔がすごく優しそうで、苦しくなった。




キミ、そんな顔するんだね。



キミにそんな風に思ってもらえてる人が、すごく羨ましい。




それが私だったらいいのにな。



なんてね。




「そうなんだね。告白とかしないの?」



あくまで平静を装って聞いてみる。



「いや、しない。振られたくないから。今みたいに話せなくなるのもいやだし。」