破壊力、すさまじい。



その笑顔は一瞬のことだったけど。



すぐにいつもの無表情になって、本をまた読み始めるのかなと思ったら、



「てかさ」



と、彼から話しかけてきた。




「なんですか?」




「なんで敬語なの?同学年だし、去年も今年も同じクラスだし、ついでに毎度毎度席も近いのに、わけわかんなくない?」





席近いの、気づいてくれてたんだ。




嬉しくて、ニヤけそうになるのを何とかこらえながら、私は返す。




「そうだね。じゃあ、普通にしゃべるね。」




「よろしく。その方が喋りやすいし、気楽。」




後は、本に視線を落として自分の世界に入ってしまった。





喋れたし、敬語も抜けたし、私にしてみたら結構な進展!!




少しずつ、距離を縮めていけたらいいな。