カーテンの隙間からもれた朝日がまぶしい。
「あぁ、また一日が始まる・・・。」朝一番のあたしの脳はそんなことをつぶやかせる。
きっと今が幸せな子は「また、楽しいわたしの一日が始まる!」とか、すがすがしい気持ちで朝をむかえるのだろう。
あたしは逆だけど・・・。

ベットから体を起こしたときあたしの頭は切り替えられる。ボーッとした本当の 三宅 風奈 から、別の 三宅 風奈 へ。

頭の中を。

思考を。

心の中を。

すべて作り変える。裏の風奈に。真っ黒な風奈に。


リビングにゆっくり降りていって「おはよう。」と声をかける。
さぁ、裏の一日の始まりだ!!
「はやくしないと瑛梨チャンまってるわよ!」
母の声が聞こえる。
「ふぁい!ひょっひょまっへ~」歯磨きの最中だった。声になってない!!!!

「お待たせ!」
「早く!!これじゃ飛ばさなきゃ!」
「んじゃいってきます!!!」

あたしたちは一目散に飛び出した!!!

「まったく!風奈はもうちょっと余裕もちなよ。これじゃ毎日大変だって!」
「えへへ、少々大丈夫だって★」
「まったく・・・。」
瑛梨の話も半分聞かずに・・・。
瑛梨にはあたしが裏になってることを教えてない。信じてないわけじゃないんだけど・・・。

「げっ!!中セン立ってんじゃん!!てことで風奈!
頼むよ。」

あたしは余裕の笑顔で答える
「任せてよ!!!!!」

ピピー!!
「はい、止まりなさい!」
あたしたちはおとなしく止まる。
「すいません。遅刻しちゃいました。」
風奈と瑛梨はおとなしくどっかの、お嬢様みたいに頭を下げる。
そこで中センが私たちの傷(らしきもの)にきずいた。
「ん?どうしたんだその傷は。昨日はなかっただろ。」
「あの・・・。今日の朝ちょっと事件がありまして・・・。」
「何だ、いってみろ。」
「はい。」
よし。順調、順調!
「実は登校の途中に信号で待ってたんです。すると前にいた女の人が、フラフラしてて・・。」
かくかくじかじか・・・。
「そうだったのか。まぁそれなら仕方ない。早く行きなさい。」
風奈と瑛梨はあたまを下げて、急いでチャリ置き場に向かった。