私は入学式という行事を普通に参加し終え、電車で揺られ1時間ほどで地元に到着した。
駅に着けば、ロータリーで仲間たちが 数人集まって階段に座っている。
私の周りは、流行りに敏感な子ばかりだった。
髪の毛はアッシュカラーのメッシュを入れていて
ベージュよりの白っぽい口紅
目はキラキラしたラメのアイシャドウ
スクールカバンは人気の男子校のブランド
私服でいるととても15歳には見えない子ばかり。
「奈月ーーっ!!!」
いつになくテンションの高い友達の杏に大きな声で呼ばれた。
私は走ることもなくゆっくり近寄る。
「ただいま!」
「高校どうだった?」
「紫の口紅をつけた子に話しかけられた」
「え?紫?」
そう。確かに紫だった
良く言えばアメジストの原石のような
ブラックパープルのような色味の口紅
みんな驚き、まじかよ~!!!なんて笑っていた。
そして今日一日、自分が体験した話をした。
「そのヤンキーぽい子気をつけな」
「うん。けどなんで私が話しかけられたんだろう?もっと派手な子沢山いたのにさ」
「明日はきっと大丈夫だよ!何かあったらすぐ電話してよ!」
「ありがとう....あ!そろそろ帰らなきゃ!」
時計を見て慌てて帰る支度をする
早く帰らなきゃいけない理由を、地元の仲間は知っているから、すんなり私に別れの挨拶をする。
引き止める者もそこにはいない。
「んじゃ、また明日!」
私はみんなが集まっているロータリーから自宅へと走った。